抹茶の色の鮮やかな深緑は虫のフンで着色されている!?そんな噂を聞いたので調べてみました。スタバやハーゲンダッツ、スーパーカップなど、日頃から馴染みのある抹茶味はどうなのでしょうか?
抹茶の緑は虫のフンで着色されている?!
抹茶の緑色は虫の糞で着色されているのか!?という気になる情報ですが、一部真実ですが、全てではありません。
食品の緑色に使われている虫の糞とは、蚕のフン:蚕糞(こくそ)のことで、「蚕沙(さんしゃ・さんさ)」と呼ばれる漢方薬の一種です。
蚕沙は、蚕が食べた桑の葉の葉緑素を含んでおり、銅と結合させると銅葉緑素という緑色の着色料になります。 この銅葉緑素が、抹茶を緑色の着色に使われているため、「抹茶は虫の糞で着色されている」などと言われているのですね。
抹茶以外にもアイスやチョコレート・チューインガムといった菓子や寒天、昆布、グリーンピースや山菜などの食品の着色に利用されています。また、脱臭効果もあるため石鹸や歯磨き粉などにも使われています。
もちろん、銅葉緑素を使っている食品は本物の抹茶ではなく「抹茶風味」のものです。 本物の抹茶を使っている食品は銅葉緑素を使っていません。
食品の原材料表示を見れば銅葉緑素(着色料)が含まれているかどうか確認することができます。気になる方はいつも食べている商品の原材料表示を確認してみてくださいね。本物の抹茶が使用されている場合は原材料名に「抹茶」と記されています。
銅葉緑素の安全性は?
着色料である銅葉緑素には、銅クロロフィルと銅クロロフィリンナトリウムがあり、日本では厚生労働省によって指定添加物の「着色料」として認可されています。食品衛生法でそれぞれ使用可能な食品とその使用量が定められています。
蚕沙とは?
ちなみに、蚕沙(さんしゃ・さんさ)とは漢方として古くから愛飲されてきたもので、血液の流れを良くしたり、神経痛や関節痛、胃痛に効くとされています。虫のフンと聞けば嫌な気分になるかもしれませんが、カイコの幼虫が好んで食べているものは桑の葉で、糞は桑の葉の未消化物。煎じて飲めば、桑の葉茶を思わせる上品な香りが楽しめるそうですよ!
漢方薬や着色料と利用される以外にも、蚕沙そのものの特性を生かしてお茶やお酒としても製品化されています。
緑色を出す着色料・銅葉緑素は、牧草などから抽出したクロロフィルから作られる場合もありますが、蚕のフン:蚕糞(こくそ)に含まれるクロロフィルを溶媒抽出したものから作られることが多いようです。
蚕沙の効能は?
蚕沙(さんしゃ・さんさ)は古くから漢方薬として愛飲されてきたものということですので効能について調べてみました。蚕沙は、漢方では祛風湿薬として分類されてるそうで、血液の流れを良くしたり、神経痛や関節痛、胃痛に効くのだそうです。
また、発熱や頭痛、咽喉の痛み、痙攣、風疹による痒みなどにも用いられるそうで、宣痺湯や宣清導濁湯などの漢方方剤に配合されています。
スタバやハーゲンダッツ、スーパーカップの抹茶味はどうなの?
スターバックス、ハーゲンダッツ、スーパーカップの抹茶味の商品には銅葉緑素は使われていないようです。
茶葉の詳しい産地についての明記はありませんが、スターバックスの抹茶は日本産の抹茶パウダーを使用しています。また、スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京では、抹茶の体験をより深めるために、抹茶の産地や品質にこだわり、京都府宇治市の老舗茶問屋「丸久小山園」から仕入れた抹茶を使用しています。
ハーゲンダッツで使用されている茶葉はオリジナルブレンドのものが使用されています。グリーンティーの開発に7年の歳月を費やしており、オリジナルブランドの茶葉は、その年の新芽だけを摘み取った「初摘み茶葉」を主に使用し苦味や渋味を適度に与えるために、「二番茶」を少し加えてるとのこと。
どちらもこだわりを感じますね。それぞれ公式サイトで紹介されています。
▶スターバックス リザーブ® ロースタリーの抹茶の紹介ページはこちら
明治 エッセル スーパーカップ 抹茶の原材料名を見ると、着色料の表記がなく”まっ茶”と記載されています。
水あめ(国内製造)、乳製品、植物油脂、砂糖、まっ茶、食塩/乳化剤、安定剤(増粘多糖類)、pH調整剤、(一部に乳成分を含む)
銅葉緑素は、蚕の糞から抽出された葉緑素を銅で安定化したもので、緑色の着色料として使われています。 銅葉緑素は天然由来のもので安全性に問題はないとされていますが、銅葉緑素を使わない抹茶味の商品を探す場合は、原材料表示をよく見てみましょう。
原材料表示に「抹茶」や「宇治抹茶」、「碾茶」などの言葉だけがある場合は、銅葉緑素を使わない抹茶味の商品と考えられます。