家族同然に可愛がって、子犬から成犬になる過程でたくさんの思い出が増えていく…そこに元気でいるのが当たり前になっていた犬は人間よりも早く年を重ねますよね。
そしてやがて介護が必要となる時期がやってきます。
今まで出来ていたことが出来なくなる。それでもあなたは最後まで面倒を見る覚悟はあるはずです。
食事に散歩、排せつなどなど段々出来なくなってきたことへのフォローの生活が始まった時にふと「介護と仕事の両立は出来るのだろうか?」と不安になるかもしれません。
とても重たいテーマですが、今回は私の実家の愛犬のことも交えながら書かせていただきますね。今、老犬介護で疲れてしまっているあなたのお役に立てればと思います。
老犬の介護が必要になったらどうする?仕事と両立させる方法
そもそも今の時代に直面する〈老犬介護〉という言葉。昔はこんな言葉はありませんでした。その理由から書かせていただきますね。
実は1990年代の犬の平均寿命は8~9歳。最近は平均13~14歳となっています。人間同様、ペットの寿命も延びていることが分かりますよね。犬の年齢は1歳で人間の15歳と言われています。
その後は1年ごとに体の大きさによって歳を取る年数は異なりますが、小型犬で4歳ずつ、中型犬、大型犬はもう少しペースが速いと言われています。昔の平均寿命は8~9歳なので、小型犬なら人間で言えば40代後半から50代前半。
中型犬や大型犬なら50代前半から60代くらい。超大型犬なら60代から70代くらいです。
このくらいの年齢なら人間でもまだ介護が必要になる可能性は低いですよね。
ところが最近は13~14歳なので、小型犬なら60代後半から70代前半、中型犬は70代半ばから70代後半、大型犬は80代前半から80代後半、超大型犬はなんと100歳超えです!
このデータから見ても分かるように体のあちこちに不調が出てくるのも納得です。
ではもし、老犬になり介護が必要になったらどうすればいいのでしょうか?
例えば、足腰が弱くなって段差なども上がれなくなってしまった場合ならそこは少しフォローするだけで問題は解決します(毎回だと大変になってきますが)。でもこれが寝たきり状態になってしまったら…
人間の介護同様に寝返りを定期的にさせるとか、排せつ処理をするとか、食事は固形から流動食にするとか、ずっとそばで見守っていないといけなくなることもあります。
それでもきっとあなたは、それが出来るのは飼い主である私しかいないと頑張ってしまうかもしれませんね。最期まで面倒を見る覚悟もきっとあると思います。
ところがあなたには仕事もあります。ずっと愛犬に付き添っていることは不可能だと実感した時、あなたは「仕事を辞めてこの子のために世話をしよう」と思うかもしれません。
でも待ってください。現実的な話をすると、介護にはお金がかかります。
最近ではペット用の生命保険のようなものもありますが、まだまだ掛け金が高いとの話もよく聞きます。なので、加入していない飼い主さんが私の周りにはかなりいます。必要な時にお金が出せるようにと自分で貯金している飼い主さんもいます。
何が言いたいかと言いますと、仕事を辞めてしまった場合、当然ですが収入がなくなります。あなたがご結婚されていて共働きだった場合には二人で稼いだお金が生活する上で必要な収入だったはずです。
あなたの収入がなくなった分、当然収入は減りますよね。そして介護に集中できるかどうかを考えてほしいのです。
1回病院に行くだけでも国民保険や社会保険がない犬はかかった費用を全額請求されます。4~5,000円なんて当たり前で、初診なら1万円を超えることも珍しくありませんよね。
そこに薬だ、治療だ、場合によっては手術だとなれば簡単に10万円を超えてしまう場合もあります。
なので、そばに居てあげたいという気持ちは分かりますし、私も同感ですが仕事を辞めるという選択肢は最終手段としていた方がいい場合もあるのです。
最近は、仕事中でも(いや、失言ですね。休憩時間などでも)愛犬の様子が分かるようにドッグカメラというものが売っています。スマホなどと連動させて愛犬の様子を職場に居ながら見ることが出来るものです。
愛犬側にもカメラがあり、あなたの顔が愛犬側からも見えるようになるものだそうです。音声もお互いに聞こえる優れものだそうです。
そういうものを利用して、愛犬の様子を確認することも可能です。他には万が一の時のことを考えて、終身で預かってくれる施設を探しておくのも一つの方法です。
人間でいう老人介護施設が動物にもあるらしいのです(老犬・老猫ホームというそうです)。《老犬ケア》というサイトで全国の老犬ホームを調べることが出来ます。
もしあなたの職場と自宅との距離が遠ければ、職場の近くに引っ越しをするという方法もあります。このメリットはドッグカメラなどで異常が見られた場合、すぐに家に帰ることが出来るということです。
家族に何かあった時にすぐ駆けつける感覚と同じですね。しかしこの方法は介護に年単位でかかるのか、それともそこまでの単位ではないのかによっては決めて行動に移すかは判断が難しい時もあると思いますが。
犬の介護に疲れた…そんな時の対処法は?
仕事と両立した方がいい、みたいな流れで話を進めてしまいましたがそうなるとあなた自身は本当に疲れてしまうと思います。
帰宅すれば介護生活ですし、出勤すれば愛犬の心配ばかりしているわけにはいきません。おそらくはずっと緊張状態が続くことになると思います。そして段々心に余裕がなくなり疲れ果ててしまう…ということもあり得ます。
そうなる前に、まずは次のことを意識するようにしてみませんか?
- 一人で抱え込まず誰かに相談する。
- 自分のストレスを自覚する(物事に関心がない、最近まとまった睡眠がとれていない、嬉しいことがあっても気持ちが晴れないなどは要注意信号です)。
- しっかり休息をとる(長時間しっかり寝なさいと言っているわけではありません。短時間でも、ただ目をつぶるだけでもいいのです。自分の心と体を休ませる時間を作ってください)。
- 自分のために時間を使う(例えば、普段より少し贅沢な美味しいものを食べるなど、自分へのご褒美を作ってください)。
- 愛犬のアルバムを作る(既に作ってあるというあなたはそれを見るだけでもきっと元気が少しずつ戻って来ると思いますよ)。
- 客観的に自分を見て、精神状態がどんな感じなのか確認し自覚する(これはなかなか難しいことだと思いますが実はこれが一番大事です)。
全力で介護と仕事を両立させるのは、やはり厳しいし難しいものです。なので自分を労わる時間を作ることはとても大切なことです。
もちろん、一日のうちにその時間を作れる余裕なんてないと思うかもしれません。でもそこは無理してでも作るのです。
でないとあなた自身が壊れてしまいます。あなたが体調を崩してしまったら、愛犬の介護だって出来なくなってしまうのです。
あなた(家族が他にも同居していれば家族全員)の精神力と体力が介護を支えるのです。
愛犬は飼い主の笑顔が見れるだけで症状が和らぐというデータもあると実は私が先日実家の愛犬を病院に連れて行った時に主治医に言われました。
介護は笑顔を絶やさず出来るくらいの余裕があった方がいいそうです。
それを聞いた時から、私は愛犬に今までと同じように話し掛けたり、愛犬がおちゃめな行動を取ったり(実は痴呆のためにクルクル回ったりします)した時には笑いながら「もぉ~何やってんのぉ?」と体を触ります。
本当は辛いですが、あえて明るく言います。不思議とそうすることで私自身の気持ちも軽くなりました。
あなたも決して自分を追い詰めないでください。心が辛くても疲れていても声に出すトーンは明るく!を心掛けるだけであなたの心が軽くなるはずです。
どうか無理だけはしないでくださいね。