最近流行りの珪藻土。さまざまな種類のものに使われていますよね。中でも珪藻土バスマットは人気商品のひとつではないでしょうか?
「水虫が伝染らない」とか「優れた吸水力」などといわれていて、とても興味があります。でも本当に水虫が伝染らないのでしょうか。布製のバスマットとの違いは?洗濯機で洗えないけど、どうやって手入れすればいいの?など、実は分からないことも多いのではないでしょうか。
手入れもそうですし、捨てる時の方法なども調査しましたので、ご紹介します。
珪藻土バスマットの手入れはどうする?
まず、手入れの方法をご紹介する前に、珪藻土についてちょっとだけご説明しますね。
バスマットといえば、お風呂上がりの足の裏についた水分を吸水してくれるマットですよね。肌触りもふわふわで気持ちいいものも多いです。
では、珪藻土バスマットはどうなんでしょうか。
珪藻土とは、簡単にいうと珪藻という藻やプランクトンなどが長い年月をかけて化石化したものです。少し前までは、建材や保温材などに使われたり、七輪の中に入れて使われたりするのが主流でした。
材質の特徴としては、目に見えない無数の穴が開いている多孔性の土で、吸水性に優れています。触り心地は、土なので硬いです。例えていうならば、コンクリートや硬くなった土に触っている感じといえばイメージが湧くでしょうか?
そんな素材でバスマットを作ろうと考えた人ってすごいと思います。
でも実際に珪藻土バスマットを踏みしめてみると、サラサラしています。水分もスーッと吸い込んでくれる感覚です。
「足が吸いつく感じ」という人もいるみたいですよ。
どうやら「吸水性に優れている」というのは、事実のようですね。では、吸い込んだ水分はどうなるのでしょうか?
布製のバスマットの場合は繊維に付着していきますので、使っているうちにしっとりしてきます。でも珪藻土バスマットの場合は、布製のようにしっとりした感触はほとんどないでしょう。
でも水分は確実に珪藻土バスマットの内部に吸い込まれていますから、きちんと乾燥させることが長く使うコツになります。
珪藻土バスマットの手入れ方法は、
・使用後は、陰干しして乾燥させる
・吸水力が落ちてきた時には、表面をやすりなどで削る
このふたつがとても重要です。陰干しの方法ですが、置いた状態では干していることにはなりませんので、しっかり立てかけるようにしてください。その際、珪藻土バスマット用のスタンドなどがあると、便利です。
普通に立てかけておいてもいいのですが、万が一倒れてしまったりすると、割れてしまう可能性があるので倒れないような方法で陰干ししてください。
注意してほしいことは、「珪藻土バスマットは、日干ししてはダメということ」です。
乾燥させることは、長く愛用するためには必要なことなのですが、日干しは急激に乾燥させてしまい、割れてしまったり欠けてしまったりすることもあるのです。
分かりやすいイメージですと、泥団子を表面をツルツルになるまで整えて、仕上がった時には固くなっていても外に置きっぱなしにしていると土が乾燥しすぎてしまい、ヒビが入ってしまう感じです。
珪藻土も藻やプランクトンのかたまりですので、泥団子同様乾燥し過ぎればヒビの原因となってしまいます。陰干しでゆっくり吸い込んだ水を蒸発させてください。
それでも吸水力が落ちてしまった場合には、やすりで表面を削ります。そうすることで新しい面が出てきますので、再び同じように優れた吸水性が戻ってきます。ただし、全体的に同じ力で削らないと、表面がボコボコしてしまいますので、削る時には下に新聞紙などを敷いて、必ず平らな面で作業するようにしてください。
珪藻土バスマットって水虫が伝染しないってホント?
珪藻土バスマットを毎日手入れすることで、水分が残らないので菌の増殖を防ぐことができます。
バスマットで心配なのは、水虫の人がいる場合、その人が使ったあとのバスマットを使うと伝染ってしまう可能性が高いことですよね。
それは、表面が濡れたままになっているせいで、水虫の原因となる白癬菌(はくせんきん)の増殖リスクが高くなるからなんです。白癬菌は湿気などのジメジメした環境を好みます。濡れたままのバスマットは白癬菌にとって、増殖するのに適した環境なのです。
布製のバスマットでは、どうしても湿気は残ってしまいます。家族ひとりひとりが別々のバスマットを使うことができれば水虫が伝染るリスクは低くなるのかもしれませんが、これって家族で暮らしている場合、結構難しいですよね。
使用するたびに干したとしても、次の人が入る時までにきちんと乾いていることは少ないと思いますし。生乾きもジメジメしますから、結局菌は増殖してしまうでしょう。
その点、珪藻土バスマットは表面はすぐに乾燥します。白癬菌の増殖に適した環境を作らないんです。「だったら感染らないっていう噂も真実だよね?」とあなたは思いましたか?
実は、「はい!珪藻土バスマットなら水虫は感染りません!」とはいいきれないんです。
確かに増殖はしにくい素材です。しかし、水虫の人が使用した際、その人が持っている白癬菌が少なからず珪藻土バスマットに落ちます。
水分は吸水しますが、菌は吸い込みませんから、増殖しなくても少量はその場に落ち残っていることになります。なので、次に使用した人にその菌がついてしまう可能性はあるということです。
結論からいいますと、「珪藻土バスマットなら水虫が伝染らないとは断言できない」ということです。なので、「伝染りにくい」という表現が一番適切かなと思います。
珪藻土バスマットの捨て方と再利用アイデア
珪藻土バスマットも消耗品です。いずれは捨てる時がきます。そんな時に疑問なのが「どうやって捨てるの?」ということではありませんか?
そこで、捨て方について調べてみました。調べると珪藻土は【陶器や植木鉢と同じ扱い】だと分かりました。あなたがお住まいの地域の捨て方ガイドブックやホームページなどで、陶器や植木鉢を捨てる日が書かれているなら、その日に捨てれば大丈夫でしょう。
ガイドブックによっては、陶器や植木鉢の記載がない場合もあります。そんな時は、不燃ごみにそれらもまとめられている可能性が高いです。
ですが、念のため地域の環境センターなどに問い合わせてみてください。
捨てる際には、細かく砕いてひとつの袋に入れて捨てるといいでしょう。大きさによっては有料ゴミとなってしまう場合もありますので、詳しくはお住まいの地域の捨て方をご参照ください。
そして、バスマットとしては吸水性が劣ってしまった場合、再利用することができるんです。
下に新聞紙などを敷き、ハンマーなどでたたき割ります。粉や破片が飛び散らないようにゴミ袋などに入れてその上からたたき割ってもいいでしょう。
そうすることで、そのままごみ集積場に立てかけておいたら子供が触ってしまって珪藻土バスマットが倒れてきてケガをした…なんてこともなくなります。
細かく砕いた後は、不織布の袋などに砕いた珪藻土を入れて、げた箱などに入れておくと湿気を吸って靴の乾燥になります。靴に不織布の袋などに入れた珪藻土を入れておいても水分や臭いを吸い込んでくれるので、翌朝履く際には、スッキリした靴が履けるでしょう。
珪藻土を使った商品はコースターなども出ていますが、バスマットとして使用していたものだと、台所の何かに使う気にはなれませんよね。なので、げた箱や靴の中に入れて再利用する方法が衛生面から考えてもいいかなと思っています。
珪藻土バスマットの注意点もあるんです
手入れ方法、捨て方、再利用の方法などをご紹介しましたが、実は、珪藻土バスマットには注意点があります。それは、「あまりにも安いものを使わない」ということです。こんなふうに書いてしまうと、ちょっと語弊があるかもしれませんが、できれば国産の製品を使うことをおすすめしたい理由があるんです。
国産の製品は、海外製に比べると価格が少し高いものがほとんどなのですが、その理由としては、
・国産の製品には発がん性物質がほとんど含まれていない
・日本で使う場合には、日本の安全基準を満たした製品を選ぶ
なんです。珪藻土の中には、珪藻やプランクトンの他にアスベストなどが含まれてしまう場合があります。海外の基準ではこのアスベスト含有量が日本より高いことがあります。ですが、やはり長く使う場合には不安材料はできる限り少なくしておきたいものです。
価格が高いということは、それなりに純度が高い製品だということもいえるのです。そして、純度が高いものはやはり長持ちするので、結果的には安い製品を数回買うのと、買う時には多少高いと感じても長く使えるのとでは、変わらない、もしくは安上がりになるということです。
今回ご紹介した手入れ方法も、純度の低い製品だと表面を削っている時に欠けてしまったり、使っているうちに歪んできたりするというトラブルが多いのです。
珪藻土バスマットはとてもいい製品なので、長く快適に使用できることを考えて購入を検討してほしいと思います。実際に使用した人たちの感想で多いのが、「この感触、クセになる」「水分がスーッとマットに持っていかれる感覚」なんです。それだけ使用感は快適だと感じる人が多い製品なんです。
もし表面にまだ吸水力があるのに、汚れが気になる場合は、水を浸してかたく絞った雑巾で表面を拭くと汚れが落とせます。石鹸などで洗うと無数の穴に石鹸が詰まってしまい、吸水力が落ちてしまいますのでしないでくださいね。
基本的には、まめに洗うことはしなくても表面を削る方法の手入れで大丈夫です。上手に手入れをして、長く使ってくださいね。お風呂上がりのあなたの快適がこれから続きますように。