働く母親も増えた今の時代の 新しい選択肢の1つ となっています。
[aside]補足
企業主導型保育施設は、文字の通り、企業がそこで働く従業員のために運営する保育園です。
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企業主導型保育施設は、認可保育園より入れやすく融通がきくなどのメリットがたくさんあります。
企業がお金をかけて作っているため、外観や内装の演出が魅力的なことに目が行きがちですが、「保育の質」が悪いなどの問題点が取り上げられることも多くあります。
そこで、企業主導型保育施設の問題点やデメリットなどについて調べてみました。
企業主導型保育施設とは?
企業主導型保育所とは、認可外保育園の一種で、企業が事業所内やその周辺に設ける保育園のことで、企業が運営する認可外保育園です。
企業主導型保育施設は、いわゆる認可外になりますが、開所のための整備費、開所後の運営費の国からの補助が受けられるため、保育料が認可並みに安いのも特徴です。
いろいろな特徴がありますので、詳しく見ていきましょう。
企業主導型保育施設は、認可外なのに保育料が安い!
認可は基準を満たすことで自治体に申請を出し、補助金が出ています。そのため、保育料も 公立と同じ料金 で保育を実施しています。
一方、認可外の保育施設は補助金を受けることができないため保育料も高額になりがちですが、認可外保育園なのに施設整備費や運営費で国の補助を受けられるため、保育料が安く設定することができるのです。
なぜ国から補助金が?
なぜ、企業主導型保育施設は基準を満たしていない認可外なのに国から補助金雨を受けられるのでしょうか?
簡単に言うと
[box class=”pink_box” title=”ラベル名”type=”simple”]
- 「企業は女性の活躍も応援してね、男女問わず仕事も子育てを両立できるように手助けしてね」と言っていること、
- 増えていく待機児童を企業が受け皿になること
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で、待機児童の解消を目的として国が始めた事業になるからです。
認可外=保育料が高いというイメージですが、国から認可並の補助金を受け取れるので、保育料も認可並のところが多いことも強みです。
不規則な保育時間にも対応
柔軟な保育時間への対応は、企業主導型保育施設の強みでもあります。
シフト制で土日祝日は関係なく仕事がある、夜勤のある仕事、フルタイムでなくパートで短時間のみ仕事…
皆さんの働き方は様々です。
ですが認可保育園では、夜間はもちろん、大体は日祝日は休みだったりで対応できる保育園を探すのは大変だったのではないでしょうか。
企業主導型保育施設だと、日祝日の保育、夜間の保育、パートの時間だけの短時間保育などにも柔軟に対応してくれます。
働き方が多様になった今、このような保育に対するニーズも増えているのではないでしょうか?
他企業や地域の子供も入れます
企業主導型保育施設は、企業が運営する保育施設ですが、その企業に勤めている人たち以外も利用することができます。
他企業や地域の子供の受け入れは任意なため、地域性によって柔軟に対応が可能なのです。
実際、従業員だけで定員が埋まるケースはあまりなく、受け入れている施設が多数だそうですよ!
ちなみに契約は保育施設と個人の直接契約となるため、自治体の運営する保育園に入園が難しい場合でも、すんなり入れてしまうケースもあります。
事業所内保育所と何が違うの?
名前が似ているので、どのような違いがあるのか迷われる方も多いと思います。
企業主導型保育施設は事業所内保育所と同じく企業の中に保育所を設置し、そこの従業員の子供達が登園しています。
では企業主導型保育施設と事業所内保育所とは何が違うのでしょうか。
認可か、認可外か
まず事業所保育所は認可です。
つまり自治体の許可、補助金を受けています。
一方、企業主導型保育所は認可外となります。
なぜ、似たような保育所なのに「認可」と「認可外」の違いがあるのでしょうか?
まず、認可を受けるためには、満たさなければいけない条件が厳しく決められています。
また、認可保育園では入園する園児の選考を自治体が行うため、企業にとっては運用しづらく、事業所内保育所は国が想定したほど普及しなかったため、待機児童の受け皿とはなりませんでした。
企業主導型保育所は、認可外のため、市区町村からの認定は不要で、都道府県に企業主導型保育所の開所を申請すれば開設することができます。
厳しい条件に合わせなくて良い分、企業の従業員の保育ニーズを満たす独自の保育システムを作りやすくなりました。
事業所内保育所では定員の4分の1程度は開放しなければならない義務がありましたが、企業主導型保育施設では任意であった地域の子供を対象とした「地域枠」があります。
入園する園児は保育園の独自の方法で選考することができるため、社員の子供をまず受け入れ、余った定員枠で地域の子供の受け入れを行っています。
パッと見た感じでは同じような保育施設ではありますが、他にも細かな違いが多々あります。
企業主導型保育所のデメリットにはどんな事がある?
現時点では、残念ながら何点かデメリットだと思われることがあります。
園庭が狭い(もしくはない)
企業主導型保育施設は、園庭や運動場が狭かったりないところが多いのが現状です。
ここ数年は園庭がない保育園も増えていますし、園庭はあっても外へ散歩に行ってくれたりしまので、園庭がないから外で遊ばない、ということはないと思いますが、あるに越したことはないのかなと思います。
保育の質が一定ではない
「保育園を作る」ばかり優先して「中身」が追い付いていないという指摘もあります。
魅力的な企業主導型保育施設もありますが、認可保育園のように厳しい条件がないため、保育園を運営したことのない企業が保育園を作ったけれど運営が穴だらけ…というケースも多いのが現状です。
具体的な所としては、
[box class=”pink_box” title=”ラベル名”type=”simple”]
- 保育士が少ない
- 子供のアレルギー除去食は対応できない
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など認可では怒らないような問題点があげられています。
もちろん全ての園でそういったわけでもないのですが、これでは安心して子供を預けることができませんよね。
政府もこの問題をうけ、運用改善に向け動き出してくれています。
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参考:産経新聞
企業保育所、質を確保 事業実績5年以上義務化 検討委見直し骨子案判明
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保育士の設置人数を引き上げるなど、具体的な改善案が既に出ていますので、今後に期待したいところですね。
行事が少ない
保育園では、お遊戯会や運動会、遠足など、日常の保育にメリハリをつける行事がいろいろ用意されています。
しかし、企業主導型保育所は少人数の場合も多く大きな行事を行わない場合も多いので、このような行事を楽しみにしている保護者の方には寂しいかもしれませんね・・・。
ただ、 働く親にとっては行事が多すぎることも負担になる のでメリットと捉える方もいるかもしれません(笑)
送迎が大変になる場合もある
大体が運営する企業内、企業の近くに設置することが多いので、毎日、職場まで送迎が必要 になります。
自宅と職場が近いという人はデメリットにはなりませんが、職場まで公共の交通機関を使わなければならない場合、小さい子供を連れて自分の荷物と保育園の荷物を持ち、電車やバスに乗らなければいけないのは、朝のラッシュ時でなくとも大変かと思います。
まとめ
今回は企業主導型保育施設の問題点やデメリットについて考えてみました。
企業主導型保育施設は、認可保育園より入れやすく融通がきくなどのメリットがたくさんあります。
また、企業がお金をかけて作っているため、外観や内装の演出が魅力的なことに目が行きがちですが、「保育の質」が悪いなどの問題点が取り上げられることも多くあります。
企業主導型保育施設のメリット・デメリットをよく理解し、わが子にとってメリットがどれだけあるか、「親として何に重きを置くか、何を重要視するか」を考えながら選びたいですね。
これからもっと増えていくと予想される企業主導型保育施設。
自分の住む地域であるか調べると、意外と近くにあるかもしれませんね。
では、おさらいです。
[box class=”pink_box” title=”企業主導型保育施設とは”]
- 企業が作る保育園(複数の企業のパターンもあり)で認可外だが、国から補助金が出ているため保育料が安く抑えられている。
- 親の働き方に合わせ、日、祝日や夜間保育。週に何度かのパートの時間だけ、など柔軟に保育の対応をしてくれる。
- その企業で働く従業員の子供が登園することが主だが、地域枠もあり。(任意)
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[box class=”blue_box” title=”企業主導型保育施設のデメリット”]
- 園庭が狭い(もしくはない)
- 保育の質には改善を期待したい
- 行事が少ないから寂しい
- 自宅近くにあるとは限らず、公共機関を使っての送迎が大変かも
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企業主導型保育施設は自分の働くスタイルに合った保育時間やセキュリティ面などはしっかりした保育園が多いですが、ホームページやパンフレットには記載されていない保育の中身も重要です。
中には補助金だけを目当てに国に申請を出すというパターンもあり、運営できず閉園になってしまうこともあったそうです。
きちんと働く親のため、子供のためを考えて作った企業主導型保育施設を選んでいきましょう。
核家族が増えた今、自分たちの家庭に合った保育園を選ぶことで、子供も親も笑顔で日常を過ごせることが一番ではないでしょうか。