みなさんは乾燥肌という言葉を聞いたことがありますよね?イメージ的には、「カサカサしている」とか「肌がつっぱる」などではないでしょうか。
でも、そもそも乾燥肌ってどうして起きるのか、カサカサなどの他にどんな症状があるのかなど乾燥肌と長年付き合ってきた人以外は、漠然としたイメージしかないのではないでしょうか。
そこで今回は、「私、もしかしたら乾燥肌かも」や「これって乾燥肌?」という乾燥肌をよく知らないみなさんへ、乾燥肌の基礎知識をご紹介したいと思います。
ひとことで乾燥肌といってもその症状はさまざまです。そして、スキンケアも症状によって変わる場合もあります。場合によっては、受診した方がいい症状もありますのでご自身が今、どんな状態なのか、スキンケアはどんなものがオススメなのかをチェックするつもりでお読みいただけると幸いです。
そもそも乾燥肌とは?
まず最初に、肌の構造をご紹介します。
肌は、
- 表皮(ひょうひ)
…肌が生まれ変わる皮膚表面の層(一層目) - 真皮(しんぴ)
…肌のハリや弾力をもつ肌の本体ともいわれている中間の層(二層目) - 皮下組織(ひかそしき)
…クッションの役割をして外部からの刺激や衝撃を吸収してくれる層(三層目)
の三層構造になっています。
そして、乾燥肌は主に表皮で起こっていることが多いです。乾燥肌が悪化すると真皮や皮下組織にまで影響を与えることがあります。
構造が分かったところで乾燥肌を辞書で調べると、ドライスキンのことと書いてありました(えっ?ドライスキンってただ英語にしただけ?と私は思ってしまいました)。
そこでドライスキンを再び辞書で調べてみると、詳しく書いてありました。
皮膚脂肪の分泌が少なく、水分量が不足している状態の肌。ヒビやアカギレになりやすい肌。乾性肌(かんせいはだ)ともいう
乾燥肌=ドライスキン=乾性肌
というわけですね。聞き慣れているのは、やはり乾燥肌かドライスキンかもしれませんので、こちらの記事では乾燥肌に統一してご紹介します。
乾燥肌ってどんな状態?原因や予防法は?
では、乾燥肌ってどんな状態なのでしょうか?簡単に言うと、肌の栄養不足です。
もともと健康な肌は「水分と脂質(皮脂)で構成された皮脂膜によって肌の表面が自然に保護されている。皮脂膜はバリアとなって外的要因から肌を保護して、水分が失われるのを防げるように水分と皮脂がバランスよく機能している肌」なのです。
しかし、乾燥肌はこのバランスが崩れ、本来の機能がうまく働かない状態の肌で、肌の栄養とは主に水分と脂質なので、どちらかが不足している栄養不足の状態になってしまうということです。
特徴としては、お風呂やシャワーの後に肌に不快感を覚えるということ。不快感というのは、例えば「肌がつっぱる」や「カサカサする」「ゴワゴワする」などです。「粉をふく」とか「薄皮がポロポロ剥がれる」といった症状がある場合もあります。
では、この乾燥肌。一体どうして起きるのでしょうか?
実は、遺伝的な要因を受けているという可能性が高いのです。可能性が高いというだけで、家族に乾燥肌の人がいたら確実に自分もなるとは限りません。あくまでも可能性が高いという話なので、そこは構えないでくださいね(自分が乾燥肌だったら、お子さんにも影響が…と心配される場合がありますが、小さいお子さんは皮膚が未熟なため、ほとんどの場合が乾燥しやすい肌なのです)。
そして、もうひとつの原因として考えられているのが、「毛細血管の血流不足」です。血流が悪いと、肌の生まれ変わりの周期であるターンオーバーが乱れます。そのため、本来ならば自然に剥がれるはずの角質細胞が正常に剥がれず、冒頭で書いた三層構造の一層目表皮が何層にもなった状態になり、水分や皮脂の出入りがしにくくなります(表皮は厚さわずか、0.2mm。この薄さだから水分の出入りもしやすいのです)。
こちらの場合は、表皮に残った古い角質を取り除いてあげれば、正常なターンオーバーが行われることが多いと言われています。ここで「自分でできる血流状態チェック♪」をご紹介します。
爪の両脇にある皮膚の状態を見てみてください。どんな感じですか?
「皮膚が固く、ささくれなどができていたら、血流不足でターンオーバーが正常ではない可能性があります」
あなたの爪の脇はいかがでしたか?
乾燥肌の予防法は、“とにかく水分補給と保湿!!”と覚えておいてください。詳しくは、あとでご紹介しますね。
どうして乾燥肌になるの?原因は?
乾燥肌には、どうしてなってしまうのでしょうか?そして、原因ってなんなんでしょうか?
実は、一年中悩みの種である乾燥肌を慢性乾燥肌と呼び、ある一定の条件が原因で一時的に乾燥肌になるものもあるのですが、一時的な乾燥肌の場合の主な原因はこちらです。
- 寒さ、冬、風、汚染、紫外線などの環境
- タバコ、アルコールなどの外部要因
- にきび薬、抗コレステロール薬などの特定医療処置
- 洗顔時、洗身時の過度な刺激や肌を乾燥させる化粧品の使用
- ストレス、疲労などの感情的要因
対して、慢性乾燥肌の主な原因は、主に体の内部や皮膚に原因があることが多いです。
症状はとてもよく似ていますが、違うのは一時的な乾燥は、原因を取り除けば改善されていくのに対し、慢性乾燥肌はきちんとしたスキンケアを継続的に続けていないと改善されにくいという点です。
自分がどちらのタイプの乾燥肌なのかは、上記の原因に当てはまるかどうかで判断してみてくださいね。
肌が乾燥すると、どうなる?
ここまで乾燥肌の原因などをご紹介してきましたが、ここからは肌が乾燥するとどうなるのかをご紹介します。ケアを怠ると、その分改善も先延ばしになってしまいますので、ぜひお読みくださいね。
実は、肌が乾燥することでおこる肌トラブルがあるのです。乾燥肌は、スキンケアで改善されることが多いのですが、このスキンケアをせずに放置してしまった場合、こんな肌トラブルがおこる可能性があります。
皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)
何もできていないのに(湿疹や赤みなど)、痒みを感じる症状。ちょっとした刺激でも過敏に反応し、痒くなる。低温、低湿になると悪化するが、体が温まるとその温度差で痒みが増すこともある。悪化すると、乾皮症に。
乾皮症(かんぴしょう)
皮脂、汗の分泌が低下し、皮脂膜の量が減少すると皮膚が乾燥する。カサカサして粉がふいたようになり、症状が進むと角質が増加してひび割れになったり、うろこのような鱗屑(りんせつ)が生じる。少しの刺激で痒みが増し、掻くとまたそれが刺激になり湿疹などの原因となる。低温低湿で悪化する。
アトピー性皮膚炎(あとぴーせいひふえん)
乾燥肌から悪化するのではなく、乾燥肌だと思っていたらアトピーだったという例が多い。アレルゲンが原因の皮膚の炎症。これらは、肌トラブルのごく一部です。乾燥肌の段階でも湿疹や痒みを伴う場合があります。
次項で、肌トラブルを起こさないように「今からでもできる予防法」をご紹介します。
乾燥肌予防するには?
乾燥肌の悪化予防、乾燥肌の改善方法はさまざまなものがありますが、一番効果があるとされているのは保湿です。
乾燥肌とは、もともと皮膚に必要な水分や油分が不足しておこるものなので、内側から作り出せないものを外側から補うというイメージです。他には、生活習慣の見直しや肌にいい栄養を摂取するなどの方法もあります。あなたがもし今ここまでお読みいただいて、「もしかしたら乾燥肌かも…」と思ったのでしたら、まずは肌全体の保湿から始めてみませんか?
保湿に効果がある商品はドラッグストアや通信販売などでも入手できます。もちろん受診して症状に合った薬をもらってくるのもオススメです。
「今すぐなんて保湿剤もないし、スキンケアできない!」
と思ったあなたは、本当に今すぐから始められるケアがあるんです。それは、
“水分補給”
です(えっ?それだけ?って思いましたか?はい、それだけです)。
油分の補給は、保湿剤などがないとできませんが、水分の補給は「お水を飲むだけ」なんです。だいたい目安としては“1日1.5リットル”のお水を飲むこと。お茶や水以外の飲料ではなく、純粋にお水を1.5リットルというのが理想です(乾燥肌ではない場合は、お水以外の水分でも体内の水分量は保てますが乾燥肌の場合は純粋なお水をしばらく続けるのがいいでしょう)。
お腹がパンパンになりそうだとの声が聞こえてきそうですが、乾燥肌はもともとの体内水分量も足りていないことが多いので、少しだけ続けてみてはいかがでしょうか?
医療機関の受診が必要なケースについて
基本的に、自分の感覚で「乾燥肌かもしれないから改善させたい、治療したい」と思い立った時点で受診をオススメします。しかし、まれに我慢強い人もいらっしゃるので、受診した方がいいケースもご紹介しますね。
湿疹や赤みが2週間以上続く場合
- 痒みを伴う場合
- 痛みを伴う場合
- めまいを伴う場合
こちらは痒みや痛みを伴い、寝不足などが続くとおこることが多い症状です
上記の症状の場合は、自己ケアだけでは改善されない場合が多いので皮膚科、または内科を受診してくださいね。
乾燥肌は根気強くケアして改善を目指す肌の炎症です
乾燥肌について、少しだけでもご理解いただけましたか?ひとことで乾燥肌といっても本当に症状はさまざまです。でも共通して言えることは「辛いと感じるほどの苦痛がある」のではないでしょうか?
乾燥肌は、早い段階からのケアで症状は少しずつではありますが改善される可能性があるものです。日々の生活リズムの中に“保湿タイム”を取り入れてリズムを作れば、スキンケアもそこまで面倒ではなくなります。
実は、私自身がずっと乾燥肌と闘ってきたので、今、悩んでいる人たちへ少しでも何かできないかと思っていました。現在は気にならない程度まで改善されましたがスキンケアは今も続けています。みなさんも、ぜひ“保湿タイム”を生活に取り入れてみてみませんか?
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