お子さんの乾燥肌って、見ているだけでも辛いですよね。乾燥肌のせいでかゆがる姿を見ていると「何とかしてあげたい」「何か対策は?」と思うものです。そこで今回は、子供の乾燥肌によるかゆみの原因と対策をご紹介します。
「どうして子供は乾燥肌になりやすいの?」「かゆみの原因は?」という疑問が少しでも解決できればと思っています。
子供が乾燥肌になりやすいのには理由があった!
新生児の皮膚の表面積は約0.25m㎡。成人は約1.6m㎡なのでその差は約6倍!!
皮膚の表面積がこんなに差があるのに、なんと毛穴や汗腺の数は生後増えることがないって知っていましたか?(この事実を知った時、私は赤ちゃんが汗っかきなことに、ものすごく納得してしまいました)
小さな皮膚の表面積にびっしり詰まっている毛穴や汗腺。そこから大人と同じように汗をかけば、当然皮膚への負担は大人より大きいことが分かりますよね。
成長とともに皮膚の表面積は大きくなりますが、大人のように毛穴や汗腺がある程度離れるまでには程遠いのが現実。新生児よりは表面積は大きいですが、まだまだ毛穴や汗腺は間隔が詰まっているのが子供の頃ということになります。
そして、汗には皮脂や汚れが混ざっています。それらが皮膚に刺激を与えてバリア機能が低下すると乾燥肌などの肌トラブルをおこしてしまうのです。子供の場合、この刺激が密集してしまうので(毛穴や汗腺の間隔が狭いため)、皮膚への負担も密集してしまうために乾燥肌になりやすかったんですね。
さらに子どもの皮膚の厚みは大人の約半分ほどしかありません(大人でも皮膚の表面はラップ1枚分なんですよ、その半分の厚さしかないってことはそれだけ刺激によるダメージも大きいということです)。
乾燥肌によるかゆみの原因は、薄い皮膚の表面が炎症をおこした際、その刺激に耐えられなくなった皮膚がかゆみというサインでトラブルを教えているというイメージなのかもしれません。
かゆくて我慢できない時に子供は無意識で悪循環を引き起こしてしまう
大人だって、かゆい時には我慢できませんよね?それが子供となると、我慢なんてできません。かゆければかいてしまうのが子供です。
しかし、かゆい → 掻く → ひどくなる → またかゆくなる → 掻く…を繰り返しているうちに、かゆさはどんどん増していきます。無意識でかいていることが多いので、当然加減もできません。思いきりかいてしまって、あとで流血!!なんてことも。子供は無意識に乾燥肌を悪化させていることになります。
乾燥肌の子供におこりやすい肌トラブルとしては、汗疹やとびひなどがあります。
先ほども書きましたが、子供は無意識にかいてしまうことが多いため、こうしたトラブルは常に高確率でおこります。
乾燥肌の状態だけでもかゆみはあるのに、さらに汗をかいて汗腺の出口が汗や汚れで塞がれてしまうと炎症をおこし、かゆさが増してしまうことに。それをかいて皮膚を掻き壊し、傷ができてしまうとそこから細菌に感染してとびひが発症。これもまたかゆみを増す原因になってしまうのです。
かゆさの原因が次から次へと襲ってくるので、ずっとかゆみと闘わなくてはいけなくなってしまいます。これを何とかできないものか?とあなたはきっと必死で考えますよね。そこで大切なことは“日頃のスキンケア”なんです。次項では肌トラブルの悪化をできるだけ軽減させる対策をご紹介します。
乾燥肌は毎日のスキンケアが大切!毎日負担にならないスキンケアってある?
ひとことで「毎日のスキンケアが大切!」といわれても、きっとあなただって毎日お子さんへのスキンケアはしていると思います。それでも乾燥肌が悪化してしまうから困っているのだと思うので、ここはスキンケアの確認…くらいの気持ちでお読みいただけると幸いです。
毎日のスキンケア。それはやはり“肌の保湿”が一番大切なことは乾燥肌と闘うすべての人たちが分かっていることだと思います。もちろんあなたも「そんなの分かってるし、やってる!」と思ったでしょう。
この保湿の方法をあえて今、もう一度チェックしてみませんか?
保湿剤には、大きく分けて2種類あることをご存知ですか?
ひとつは油分の多い保湿剤。もうひとつは水分の多い保湿剤です。もし今、使っている保湿剤でもかゆがるようでしたらお使いの保湿剤とは違う種類の保湿剤を試してみるのもいいかもしれません。
油分の多い保湿剤の効果は、肌を守る皮脂の乾燥を防ぐのに対して、水分の多い保湿剤は皮脂に潤いを与えるという効果の違いがあります。今、使っている保湿剤が例えば油分の多いタイプだとしたら、水分の多い保湿剤に変えてみると肌が潤ってかゆみが軽減するかもしれません。
参考までに、油分の多い保湿剤とは、プロペト(処方薬)や白色ワセリン(市販薬)などで水分の多い保湿剤とは、ヒルドイドソフト(処方薬)やHPクリーム(市販薬)などです。
そして、季節によっても保湿剤のタイプを変えた方がいい場合もあります。
例えば、春や夏はローションタイプをこまめに塗り、秋から冬にかけてはクリームタイプや軟膏タイプをたっぷり塗るなどです。
さらに、保湿をする順番も大切なんです。お風呂上がりなどで乾燥が始まるのが一番早いのが、身体。
なので、順番としては、お腹 → 背中 → おしり → 手足 → 顔だと、身体の乾燥が始まる前に保湿できるのですぐにかゆみが出たりすることは少なくなると思います。
そして、保湿は毎日のことですので、できる限り負担は小さくしたいものですよね。
そこでオススメの保湿剤の塗り方は、「急がなくていい」という気持ちで塗ることです。よく「保湿はお風呂上がり、できるだけ早くする」って言いますが、もちろんそれは乾燥が始まる前に保湿するという意味では正解なんです。
でもこれって、あなたにとっては負担が大きくないですか?お子さんと一緒にお風呂に入って、一緒にでて、急いでお子さんの身体を拭いた後、これまた急いで保湿して…気付けばあなたはバスタオル1枚巻いた状態ってことはないですか?
お子さんが、素早く保湿させてくれればその格好でも一瞬のことだと我慢できるかもしれませんが、子供って保湿してる間にずっとおとなしくしてくれていることって、そんなにありませんよね?お子さんの保湿が完了するまでにあなたは湯冷めしてしまう可能性だってありますよね。
これってとっても負担です。下手をしたらあなたが風邪で寝込んでしまう可能性だってあります。
ですから、お子さんの保湿はあなたがちゃんと着替えを済ませてからでいいんですよ。身支度を整えた後での保湿は、気持ちにも余裕が出ますから保湿も全身しっかり塗ってあげることができます。毎日のことでもこれだけで負担に感じることが少なくなると思うんです(実際、私がバスタオル1枚で子供の塗っていた経験者なので、自分がしっかり着替えた後に塗るようにしてからの負担軽減を実感しています)。
保湿が不十分だと、それだけ早く乾燥してしまうところが出てしまい、そこがまたかゆくなり…という悪循環が始まってしまうので、かゆみを軽減してあげるためにも全身しっかりとじっくり時間をかけて塗ってあげてほしいのです。
かゆみがひどい時には市販薬?受診?
お子さんの「かゆい、かゆい」という訴えを聞いていると「今すぐこのかゆみをなくしてあげたい!」と思いますよね?でも受診したら待ってる時間も長いし…と考える時ってないですか?
市販薬でもかゆみを軽減させる薬はあります。なので、そういう効果があるものを常備させておくのもひとつの方法だと思います。
市販薬でもかゆみが軽減されている様子がない時には、皮膚科や小児科の受診をオススメします。明らかに肌トラブル(乾燥肌による炎症など)だと分かっているなら皮膚科受診で大丈夫ですが、「この発疹は、掻きむしったから?それとも別に原因がある?」とあなたが判断できない時には、小児科受診をオススメします。
もしかしたら、乾燥肌による発疹ではない可能性もありますから。
市販薬と受診をうまく併用して、お子さんの乾燥肌によるかゆみなどのトラブルを少しでも軽くしてあげてくださいね。
最後に、市販薬で常備しておくと便利なものをご紹介しておきます。
ポリベビー
ポリベビー (佐藤製薬)
http://www.polibaby.jp/index.html
30g 780円 50g 1,200円 (どちらも税抜)
赤ちゃんから大人まで使えて、かゆみを抑える効果がある第3類医薬品です。
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