赤ちゃんが産まれ、「これからこの子をしっかり守っていかなくちゃ!!」と思っていた矢先に、肌トラブルを見つけ「どうしよう!?」と困った経験はありませんか?
産まれたばかりの赤ちゃんは、ママの胎内で守られ、ママからの女性ホルモンを与えられ産まれてきます。なので、生後間もなくは、何のトラブルもなくすくすく育つと両親学級でも教わったのに、湿疹があちこちにできてるのはどうして?という経験をしたママは少なくないと思います。
実際、ママからの免疫で守られている時でも乾燥から肌を守る皮脂の分泌が多すぎて肌に炎症を起こしてしまうこともあるんです。いわゆる“乳児湿疹”というものです(正式名:乳児脂漏性湿疹)。
でもこの湿疹は、肌を清潔に保つなどの日常生活で自然と落ち着いてくることが多いので安心してくださいね。
問題は、その時期を過ぎてからの湿疹症状である“乾燥性湿疹”(皮脂欠乏性湿疹という場合もあります)の方です。こちらは、ママの免疫に守られていた時期を過ぎてから起こる湿疹で、早ければ生後2ヶ月頃から起こる皮脂分泌低下による湿疹です。
皮脂の分泌が低下すると、肌は乾燥してしまいます。その乾燥に耐えられなくなった肌が炎症を起こして、赤くなってしまったり、湿疹ができてしまったりするのです。こちらは、自然と症状が落ち着くものではないので、しっかりとケアをしないと、のちのちもっと悪化してしまう可能性があるんです。
本来ならば、小児科や皮膚科を受診して、症状に合った薬を処方してもらうのが一番なのですが、それができない場合には市販薬でも応急処置はできますので、今回は市販薬をご紹介します。でも症状に改善が見られない場合には、受診をオススメします。
赤ちゃんの乾燥性湿疹ってどんなもの?
まず、乾燥性湿疹とはどんな症状なのでしょう。
症状として多く見られるのは、
- 粉ふき
- かぶれ
- かゆみ
- 赤み
- ひび割れ
などでしょう。お腹や背中などの広い面の部分や、首、頬、手足の関節などに出ることが多いです。症状に書いた“ひび割れ”を見つけた場合には、市販薬に頼らずすぐに受診した方がいいかもしれません。
生後間もなくから出る乳児湿疹との違いは、乳児湿疹は湿疹の部分や赤くなっている部分がしっとりしていることが多いのに対して、乾燥性湿疹は、ガサガサしている感触です。
お子さんによっては、乳児湿疹と乾燥性湿疹との間隔がなく「いつの間にかしっとりからカサカサになってる」と感じることもあります。この境界線が分かりにくいという意見は結構あるようです。
受診すると、医師が視診で診断することが多いのですが、症状が悪化している場合にはアレルギー検査のために血液検査をして判断することもあります。なのであなたがお子さんの症状を見て「これはちょっとひどいなぁ」と感じた時には、自己判断せず受診しましょう。
乾燥性湿疹のホームケアはこまめな保湿
乾燥性湿疹のケアで大切なことは“保湿”です。保湿ケアで症状が改善されることは多いので、初期の場合には保湿ケアで様子を見るのもいいかもしれませんね。
ただ、初期の場合というのがどの程度なのかが分からない、という疑問が出てくるかもしれません。例えば、お子さんが2人目以降の場合で乾燥性湿疹のケア経験があるなら、ある程度は目安がつけられるかもしれませんよね。でも初めてのお子さんだった場合、目安となる前例がないわけですから、初期がどんな症状なのか分かりにくいと思います。
そこで、これはあくまでも私の経験での話なので、参考程度にお読みいただければ幸いなのですが、乾燥による湿疹の場合、赤みやポツポツが出る前に、肌の触り心地が変わります。今までどこを触ってもしっとりしていた赤ちゃんの肌が、「なんか、ここ、カサカサしてる?」って感じるんです。
初期症状は、ズバリこの時期!!
カサカサを感じたあと、何となく赤くなってきて、湿疹になる…という感じです。カサカサから湿疹までは我が家の場合は1ヶ月もかかりませんでした。これはカサカサしていると感じてからすぐに保湿ケアをしての話しなので、何もしなければもう少し湿疹になるまでが早いかもしれません。
今までの肌触りと違うと感じたら、肌を清潔にし、保湿剤などでしっかりと保湿ケアをしてあげてくださいね。肌を洗う時には、洗身剤をよく泡立てて、その泡を肌にのせるイメージで。ゴシゴシ洗いは絶対にやめてください。パパやママの手のひらで優しく洗ってあげてください。
シャワーや湯船の温度は38℃~39℃くらいが理想です。それ以上だと更に乾燥してしまうこともありますので、冬場はちょっと寒いかもしれませんが、お風呂上がりの洗面所や部屋を暖かくしておけば湯冷めする可能性も低くなると思います。
そして、室内の湿度も1年を通じて50%を下回らないように気をつけましょう。冬は加湿器や濡れたタオルなどを活用して湿度を保つようにしてくださいね。
オススメの保湿剤と湿疹用市販薬を7つご紹介!!
ホームケアで大事なことは、保湿だと書きましたが、「じゃあどんな保湿ケアをすればいいの?」って思いませんでしたか?
保湿ケアには、保湿剤がおすすめなのですが、湿疹ができてしまっている場合には、保湿剤にプラスして湿疹などに有効な薬を塗ることも大切です。そこで、私のおすすめを7つご紹介します。
普段使いの保湿剤は、2つ。湿疹などの症状に有効な市販薬を5つご紹介したいと思いますので、参考にしていただけると嬉しいです。
普段使いの保湿剤
まず、保湿剤。
ベビーワセリン
ベビーワセリン(健栄製薬)…赤ちゃんから使えるワセリンです。
ワセリンとは、油分がメインの保湿剤で主に肌表面にフタをして皮膚にある水分を外に逃がさないようにする役割のタイプです。
▶ ベビーワセリン
HPクリーム
HPクリーム(gsk)…処方薬ヒルドイドとほぼ同成分の保湿剤です。
こちらは皮膚に水分を与える役割の保湿剤になります。受診すると、ヒルドイドを処方される確率はとても高いので、保湿ケアには有効な保湿剤です。
▶ HPクリーム
症状に有効な市販薬
次に症状に有効な市販薬。
アトピスマイルクリーム
アトピスマイルクリーム(ライスパワー)…医薬部外品。
保湿剤でも抗炎症剤でもありませんが、肌の内側に働きかけて肌の改善をサポートする製品です。肌が改善されることで、湿疹などの症状が緩和していくので結果的に症状に有効だと思い、オススメしました。ただ、価格がかなり高額なので購入には勇気が必要かもしれません(^^;)
▶ アトピスマイルクリーム(定期購入)*回数制約なし
ポリベビー
ポリベビー(佐藤製薬)…第3類医薬品。
効能・効果の一番最初には、オムツかぶれと書かれていますが、湿疹やかゆみなどにも有効な医薬品です。実は、我が家は大人しかいませんが、これは常備して重宝しています。非ステロイド剤なので、ステロイド剤に抵抗がある人にも安心してご使用いただけます。乾燥性湿疹は広範囲に及ぶ場合が多いので、伸びがよく広範囲に塗るのがラクなのもオススメ理由のひとつです。
▶ ポリベビー
イハダ プリスクリード
イハダ プリスクリード(資生堂薬品)…第2類医薬品。
目元や口元など皮膚の薄い部位にも使えるのが特徴です。素肌と同じ弱酸性なので赤ちゃんにも安心してお使いいただけます。ただし、生後4ヶ月未満の赤ちゃんには使用しないでください。こちらも非ステロイド剤です。
ユースキンA
ユースキンA(ユースキン製薬)…医薬部外品。
効能・効果を見ると、ひびやあかぎれなどに効くと書かれていますが、実は炎症を抑える成分も入っているので、湿疹などの症状にも有効といわれています。乾燥肌を改善させる薬としては有名な製品です。こちらも非ステロイド剤です。
▶ ユースキンA
フルコートf MD軟膏
フルコートf MD軟膏(田辺三菱製薬)…第2類医薬品。
赤ちゃんには、MD軟膏をご使用ください(リンクには子供用のAT軟膏も掲載されています)。こちらはステロイド剤になりますので、症状がいつもよりひどい時におすすめです。ステロイド剤は、使用方法さえしっかり守れば怖い薬ではありません。コツは“患部のみに塗る”ということです。その周りなど、ステロイドの効果が必要ないところにまで塗ってしまうと、成分がどこを直せばいいのか分からなくなり、体内に蓄積される可能性があるそうです。
乾燥性湿疹はケアが一番!!上手に保湿して患部に合った薬を使おう
保湿剤や市販薬をご紹介しましたが、フルコートf MD軟膏以外は非ステロイド剤をご紹介させていただきました。初めて、お子さんが乾燥性湿疹になったという場合、いきなりステロイド剤を使用するのに抵抗があるかもしれなかったので。
ステロイド剤は、あまりいいイメージがありませんが、患部を治すのにはとてもいい成分です。ただ、患部以外に塗ると、よくないのは事実なので、正しく使用してお子さんの症状緩和に役立てていただけるといいでしょう。薬を塗るのが赤ちゃんの場合、赤ちゃん自らの手が患部に行ってしまい、薬が手についてしまうことを考えると、やはり赤ちゃんの場合には非ステロイド剤の方がいいのかもしれません。
ステロイド剤を使用するかどうかの判断は、症状が改善しなかった場合に小児科や皮膚科を受診して医師に決めてもらう方がいいのかも。
乾燥性湿疹はホームケアがとても大切です。肌が乾燥しないように、悪化しないようにケアすれば、症状は緩和してきます。とはいっても、決してひとりで頑張りすぎないでください。あなたが頑張りすぎて、神経質になってしまうとその感情がお子さんにも伝わってしまいます。
「ちょっと乾燥してきたかな?じゃあ、保湿剤塗ろうかな?」
くらいの気持ちでケアをしてください。例えば、保湿剤の使用方法に「1日2回」と書かれていたとしたら、絶対にそれを守らなければいけないわけではないと覚えていてください。
保湿剤は、何度塗っても大丈夫です(症状改善用の薬は用法容量を守ってくださいね)。
1日2回と書かれていても3回塗っても4回塗っても大丈夫です。逆に1回しか塗れなかった日があったって全然心配しないでください。
あなたがお子さんの肌を見て、「塗ろうかな?」と思った時が塗り時だと思っていてほしいです。
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